概要
2020年IASPが痛みの定義を改訂し、それまでのハード論寄りのスタンスから、大きくソフト論に舵を切ったわけですが、その後も日本の医療界に目立った動きはなく、ほぼ無風に近い状態…。
ハード論の現場がこれを無視するのは道理ですが、ソフト論に携わる医療者はもっと声を上げていいと思います。IASPは定義改訂の文脈の中で、「痛みと侵害受容は別の現象であり、感覚ニューロン(侵害受容器)の活動は指標にならない」と言明しています。
痛みの臨床において、主要なターゲットはソフトペインであると言い切っているわけです。
しかしほとんどの国民は、こうした事実を知らされておらず、旧態依然としたハード論に支配されたまま、認知のアップデートは全く為されておりません。
こうしたなか、日本の公共放送(NHK)はIASPの動き、すなわち世界の医学界の潮流を国民に知らせるべく、オブラートに包んだ番組を制作しました。IASPの改訂を直接的に報道する代わりに、ソフトペイン(番組内では痛覚変調性疼痛という用語を使用)の存在を知らせる手法を採ったのです。
本動画では、その番組を供覧した上で、痛みの定義改訂について詳しく解説しています。是非ご視聴下さい。
動画(①~②全37分)
本講演を視聴するにはグランデ会員またはベンティ会員へのアップグレードが必要です(