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 new会員サロンへの引越しに際し、旧サロン内の情報を移動することができませんでしたので、その一部を以下に再現させていただきます。

◆ミオクローヌス?のような不随意運動です。自分のところで施術し続けても大丈夫?

「手が勝手に動いちゃう」症例です。下の動画は、患者に「記録用に撮らせてください」と伝えて撮影したバージョンです。

そして下の動画は、患者に内緒で撮影したバージョンです。撮影した後に、本人に事の次第を伝えて、2つの動画を確認してもらいました。精神的な緊張レベルで変わることについては、本人もそういう自覚があるそうです。

自分のところで治療続けても大丈夫なタイプですかね?

 神経内科での診察は済んでいますか?

2カ月前に医療センターの神経内科を受診したそうです。検査の結果は異常なしだそうで、そこでも担当医が撮影する際、不随意運動が出なかったそうです。

 なるほど。こういうケースは完全な不随意運動ではなく、半随意運動タイプ(ミオクローヌスとジストニアの混合タイプ)なので、脳や脊髄レベルでの神経病変が確認されない(教科書的な白衣ラベリングがされない)状況であれば、心因性ミオクローヌスあたりを前提にして、BReINによる介入がファーストチョイスです。

 その後の展開によっては経頭蓋交流電流刺激 (tACS)のような介入も選択肢に入ってくるのかもしれないけど、まずは本人のストレスマネジメントに焦点を当ててBReINでやっていくのが一番だと思います。

 もちろん神経内科医の介入があることが大前提。患者にとっての主治医はあくまでも神経内科医で、副次的かつ併行的に認知科学統合アプローチ(COSIA)を受けてもらうという流れがベストだよね。

了解です。今後何か展開があったら、またご報告させていだきます。

◆「かえって痛くなった」…初診の患者から翌日に電話が来た

 昨日初見の方が「あの後左肩が痛くなりました」と、今日連絡くれたんですが、そういう時のみなさんの最高の切り返し聞かせてください。 ちなみに主訴は、 頚こり・肩こり・手の痺れ(手根管syndの診断あり)・ 腰痛でした。

 もしこれをテーマにして講義するなら、それだけで1時間以上のアウトプットになっちゃう…。 ここではとりあえず、複数ある前提やケースバイケースという事情を脇に置いて、一つの例を示します。

『当方の施術は今回体験してお分かりのように、極めてソフトな刺激です。強く揉んだり、叩いたり、ポキポキ矯正したり、そういった類いの刺激は一切ないわけです。ですが、全体の約0.2%つまり1000人のうち2人くらいの方が、あなたのように一時的に痛みが強くなるといった体験をされます。

 私が所属する日本認知科学統合アプローチ学会では、そういった方々の臨床研究が進められていて、痛みが悪化するメカニズムが少しずつですが解明されています。

 極めてソフトな刺激によってさえ、痛みが強くなる人の脳内では、ある神経回路が過剰に働いていることが分かってきました。その回路とは小脳をメインとする予測制御に関わる神経回路で、たとえば人間がくすぐったいという感覚を覚える神経の働きに似ていると言われています。

 人がくすぐったさを感じるメカニズムは、近づいてくる相手の手指に対して小脳が予測した時間と、実際に接触した時間にズレが生じると、これがくすぐったいという感覚になるのですが、ソフトな刺激に対して痛みが強くなる人の小脳では、こうした接触に対する予測制御が亢進していて、つまり小脳の一部の回路が興奮しているために、刺激に対する過剰な反応が脳内で起きてしまうことが報告されているのです。

 もしかすると、あなたの脳内では、初体験の施術に対して無意識の不安があったか、あるいは普段から小脳の予測制御系が亢進しているのか、そのあたりの要因があったのかもしれません。

 いずれにしても、次回からはそうしたことを踏まえた上て、小脳の興奮を抑えるような技術をチョイスしますので、ご安心ください』

 この話の中の数字はデータではなく、あくまでも患者を安心させるための方便です。また説明の土台部分として、「こんなにソフトな技術で悪化するなんて普通あり得ない」みたいなことを言ってしまうと、その時点でアウト!ですので、そうした言い方はせずに、極めてレアなケースであることを数字を使って、さりげなく匂わせつつ、同時に「あなたは異常だ!」みたいなニュアンスを伝えないで済む、つまり相手を追い詰めないようにするという作戦を使っています。

 また仮に深層心理的にこちらにネガティブな患者の場合、どっちに転んでも、どうせ継続しませんので、数字を出すことで、こちらの医学的な姿勢を毅然と示すことで、結果的にこちらから離れたとしても、悪評を言いふらされないですむ予防線を張ることができます。

 もし相手がHSPであれば、タッチレス系のテクニックをメインに据えることで経過が好転する場合があります。

 あと現実的には、患者がこちらの治療を受けたタイミングというものが一番大きな要因となります。前もどこかで話したと思うけど、患者が何らかのメンタル過負荷を受けてからこちらと遭遇するまでの時間経過の問題です。

 たとえば夫婦喧嘩のような家庭内の揉め事があった直後に来院したとか、何か大きなイライラ感を抱えたそのタイミングで来院したケース。そういった患者個々が抱える内的な事情が施術結果にダイレクトに影響を及ぼすことがあるということです。

 さらに言えば、義理受診(本人は決して乗り気ではないのに、恩師や親しい友人などに薦められ、仕方ないので相手の顔を立てるためにとりあえず1回だけでも受診しておこうという、はなから通院する気のない一見さん)のケースや、親に半ば強引に無理やり連れて来られた不登校の子供など、こうした本人が施術や通院に後ろ向きなケースというのも、施術後の不安定さにつながることがあります。

 こうした心理的な背景の問題を説明することで、難局を切り抜けられることもあれば、残念な結果に終わることもあります。そのあたりは相手の認知的柔軟性次第かな…。

 信じるか信じないかはあなた次第…。(笑)。

 もちろんケースバイケースであることを踏まえつつですが、今回の「小脳切り返し」はめっちゃ参考になりました。ありがとうございます!

 今度セミナーのほうでも、このあたりのことはじっくり講義しようと思ってます。

 楽しみにしてます。

 

◆患者へのフードリング~サ症の症例~

 サルコイドーシスの患者をみています。主訴は膝水腫で、五十肩の症状もあって継続的に施術してました。

 ある時、「しばらく前から眼が見えにくい…視野が欠損している」と言われたので眼科受診を勧めました。 ぶどう膜炎と指摘され、さらに大学病院の内科に紹介されたようで。 そこで前頚部のしこりについて相談したところ、サルコイドーシス疑いとなったようです。

 現時点での私の見解は、炎症のコントロールが味噌っぽいなと思っているのですが、あっくんのご意見くださいませ〜。

 ちなみに食に関してのアンテナもそこそこあって、マクロビを意識していたり、塩や砂糖にも気を遣っている様子で、 とりあえず「食の日記」を提案しているところです。

 サ症にしても、多発性硬化症にしても、膠原病然り、炎症由来のカテゴリー系は食の問題抜きにしては語れません。食のアンテナが立っていても、その立ち方に問題が隠れていることがほとんどです。

 やはり精製糖と脂と小麦の視点がないアンテナというものは、最終的に決定打になりにくいっす。 加工食品をどれだけ減らせるか、脂に対する意識をどこまで高められるか、小麦の問題をどこまで受容できるか、この辺りが運命の分かれ道だと感じています。

 小麦に関しては全粒粉を意識していたと思います。脂についてはサラダ油やマーガリンは否定派です。もう少し詳しくヒアリングしてみます。

 慢性炎症のコントロールを考えたとき、精製糖や小麦の問題は避けて通れないと思います。とくに小麦の場合、それ自体に潜む依存性とグリア細胞や小脳プルキンエ細胞の破壊、ミトコンドリア、AGEs、リーキーガット、FODMAP、そういった視点からのグルテンフリーに、どこまでチャレンジングな姿勢を持てるか、その辺りでしょうね。

 ありがとうございます。例の「糖化・酸化・炎症」の視点ですね。今度そのあたりをぶち込んでみます。

 ご健闘をお祈りいたします。

◆ソフト論における患者との距離感

 今更ながらの話なんですが、ソフト論を包み隠して患者さんと対峙する場面もけっこうあると思うんです…。
 
  皆さんどうなんでしょう? 僕はしどろもどろしてます。 そして、耐え切れずソフト論展開して、引かれます(苦笑)。

「この人は今はソフト論だめだ」と判断して覆い隠す選択をしたのに、って後から反省…。

 オイラの場合、プライミング効果の自作自演をしてます。最初にソフト論を披瀝するときは、「とまあ、こんな解釈を掲げている研究者もいるみたいですけどね」と1発目。

 しばらくして2発目「そういえば、この前テレビで脳と皮膚の関係やってましたね」。

 で3発目「欧米では痛みの原因診断は総合診療科がメインになっていて、外科はしていないんですよ」。

 で4発目「ニューロフィードバックと言って、脳の興奮と痛みが相関する仕組みを利用した治療が最先端らしいです」。

 とジャブ、ジャブ、ジャブを続けていきます。右ストレートを封印したまま常に自分の意見ではなく、「こういうことを言っている研究者が…」と、「誰かが言ってますジャブ攻撃」を粘り強く続けるなかで、「ああもう次回はないな」と感じたときだけ、腹をくくって引導を渡します(右ストレートを放って自爆します(苦笑))。

最後、超笑いました🤣

 自分で書いてて笑った…。自虐ネタの極み。

相手の顔色見ながらになっちゃいますよね〜 「別に原因とか真相とかどうでもいいから良くなるならなんでも」ってスタンスのわりにソフト論受容しない人、ホント多いですよね〜。

認知的柔軟性…。

最近「成長したな〜」と自画自賛ですが(笑) 「〇〇さんは何が原因だと思いますか?」とか、 「何が改善すると治る(気がする)と思いますか?」 なんて言い回しで問診の中で聞いちゃいます。

 それがその人の答えなので、ビフォーで植え付けて、アフターで改善してるのを見せつける。 「ほら、僕ならよく出来そうでしょ?」ってな感じで。 ダメかな。

その手法は傾聴カウンセリングのテクニックでも重視される方法で、さりげない質問誘導によって本人の気づきを促すのに似てる。その手法はオイラも頻繁に使ってるよ~。

これ、飲みながら話したいっす🤔

イグザクトリー!

◆こちらにポジティブだった患者の突然の豹変

 治る治らないの次元ではなくて、その場の気持ち良さ、分かりやすい刺激を求めてくる患者っているじゃないですか。こちらも、そういうのを察知して、相手の求めに迎合してあげるわけじゃないすか。ところが、途中で豹変するタイプいますよね。

 急に、「全然治らないんですけど…」みたいなことを言ってくる人。で、こちらとしても、びっくりして「え~、そっちだったの~?」ってな感じになるわけですよ。

 そもそも自分が見誤っていたのか、患者の気持ちが急変したのか、正直分からないケースもありますが…。

 こういうタイプの患者への対応で、何かいい策はありますか?

 まず確認しておきたい背景というものがあります。欧米と日本の対比で眺めると、分かりやすいんですが。

 欧米では、手術中のタッチケアは常識中の常識で、たとえば術中の患者のバイタル安定、出血の管理等々の観点から、看護師が患者の腕や足にタッチングを行います。

 ハグという文化がある国々では、タッチに対する意識が高いというのもありますが、逆に日本での意識の低さが異常に映りますね、オイラ的には。

 日本人の認知的柔軟性が悲惨だという記事を、いつかUPしようと思っていますが、タッチングの類に対してステレオタイプに「胡散臭い~、インチキくさ~、まさしくエセ科学~」のように頭ごなしに否定する輩が多いのには愕然とします。

 そういうのもあって、オイラは認知科学を医学に融合させる必要があると考えたんです。認知科学を学ぶ医療者がひとりでも増えていけば、日本も少しは変われるんじゃないかと…。

 そして、こうしたタッチングを否定する人々の多くが、実は強刺激系の揉みほぐしや矯正術に対しては、エセ科学という評価を下しません。頭の中が昭和時代で止まっているんです。アナログ世界しか受容できない脳だと言えます。

 で、結局のところ、日本では「強刺激の介入=治療」であり、「タッチング≠治療」という認識をもつ人間が多数派です。

 以上を踏まえつつ…、強刺激依存の患者が不満を漏らすときというのは、ほぼ例外なく、患者自身の生活背景(あるいは仕事環境)に何らかの変化が生じたときです。

 つまり自身のメンタル過負荷があって、感情のコントロールに乱れが生じたときに、それまで満足していた介入に対して、唐突に満足できなくなるマインドセットに変わってしまう、そのタイミングが「全然治らないんですけど…」という表明になります。

 レストランの常連客に譬えると、自身の体調が悪い(たとえば自身が自覚できないレベルでのウィルス感染があって、そのせいで嗅覚や味覚の軽い障害を抱えている)タイミングで、いつものメニューを食べたとき、「なんだよ!今日はちっとも美味しくないなあ、この店のレベル落ちたなあ」と、自分の問題なのに、店の味が落ちたと勝手に解釈して、「もう二度と来るか、こんな店」と早計するのに似ています。

 いつもと同じものを食べても、自分に原因があって、不味く感じただけなのに、お店のせいにする心理です。

 さて、そろそろ答えの核心ですが、このような患者(それまで満足してたはずの施術に対して急に不満を言ってくる輩)には、基本的に施術者側にできることは限られています。とくにハード論オンリーの現場では。

 しかし、ソフト論の現場では、やりようがあります。傾聴カウンセリングという武器があるからです。「最近何かありませんでしたかあ~?」とボールを投げるんです。

 「え~、またそっち系の話~」と、ウザったがられたとしても、中には「先生の仰ること分かります。実は数日前から子供が学校に行かなくなっていて、主人からお前のしつけが悪いとか言われちゃって、もう本当にどうしたらいいのか分からなくて…」と涙活モードになる患者がいます。

 こうした場合には、施術に対する不満が沸き起こった真の理由が、実は自分自身の中にあることを、結果的に受容する流れになります…、そういう患者もいるということです。

 認知科学統合アプローチ(COSIA)の現場であれば、このような傾聴カウンセリングという対抗手段があって、しかも真相に辿り着けるわけですが、他方、一般的な現場では、違う選択肢を提示する(他の物療や別手段の介入)くらいしか方法がなく、結果として真相に辿り着くことはむつかしい…。

 まあ、そんな違いがあるのよ。分かる人には分かると思う。

 分かります、分かりますよ~。激しく同意します!さっそく、それ試してみます。受け取ってもらえるか分からないけど、とりあえずボール投げてみたいと思います。

 あと、あっくんが以前とこかで言っていた「健康産業の裏にある刺激産業」というセリフを思い出しました。

 おお、なつかしい言葉。昔飲み会で熱く語っていた話だね。
 
 日本の医療は、キュアに特化した純粋な医療という隠れ蓑を利用して、その裏で、健康産業という名を借りた「刺激産業」とも言うべきものが跋扈しているという話。

 刺激という餌を利用して、お金儲けをする産業構造。刺激産業の餌食になっていることを自覚できない現代人の悲劇。

 激辛が大好きで、激辛メニューを求める人は、美味しいものを求めているのではなく、刺激を求めているわけで、依存症と隣り合わせ。

 どんな産業も、からくりは同じで、マックがその代表例だけど、客を依存症にさせることが企業の成長戦略の柱。資本主義の世の中を生き抜くためには、ユーザー自身が賢くなる必要があるけれど、人間の脳はドーパミンに支配されてるからねえ…。

 オイラもまさしくその典型。スイーツ依存と格闘する人生…。でも、最近ようやく脱出できそうな気配。MCTオイルを摂るようになってから、甘い物欲求が収まってきたんだよね。ミトコンドリア&ケトン体おそるべし…。

 フードリングに対する意識改革も促したいですよね!

 私の現場では、食事の重要性を説明しても、馬の耳に念仏の人が多くて。最近は言うだけ無駄っていう感じになってます。助けてあげたいんですけどね…。

 インナーディフェンスとアウターディフェンスの比率、2対8の法則。

◆タッチレスで増悪する症例!?どうすればいい?

 80代女性の症例です。整形外科で濃厚なラベリングされてます(頸椎症性神経根症・へバーデン結節・肘部管症候群・脊柱管狭窄症)。

 はじめ、鍼治療を強く要望されたのでやりました。が、あまり思わしくなく…。鍼以外にも方法はあるよと伝えた上で、灸、軽めの手技等で様子見てみようと提案し施術しました。が、経過よくなく…。(苦々笑)

 いよいよ痺れを切らした僕は、丸め込んでBFIルーティンをやったんですが、その最中に痛み・シビレ増強。タッチレスに切り替え続行するも、さらに増強。

 明らかなるソフトペインの証拠となったわけで、その後の説明でも本人が気にしている整形外科ラベリングのピールオフにチャレンジ…。

 ここで質問なんですが、 僕の認識では、「施術の強度は“弱”の方向にベクトルを向けて行く事が肝」なんですが、一番の低侵襲と思っていたタッチレスのテクニックで疼痛増強した場合、みなさんはどう対処されていらっしゃいますか? ご教示ください。

※因みにその晩はよく眠れたようで、翌朝全症状が軽快しました。

 お疲れ様です。 タッチレスでの増悪に関しては経験がないので、対処に関しては私も皆さんにお訊きしたいところですが、いずれにしても結果的には翌朝に軽快がみられたわけですよね。

 ラベリングの否定が軽快に結び付いたのか、あるいは施術中の増悪は所謂好転反応のようなものだったのか、もしくは両者とも関連するのか…。はたまた何か他にも要因が…? そこも気になりますね。

 タッチレスに対する反応は「無意識の発露」である場合が多いです。言語化され得ない声にならない声。感情解放の典型例。そういう場合は言いたくても言えない閉ざされた想いが脳を埋め尽くしています。

 傾聴によって本人の心が開いて語り出すことで改善に向かうケースもあれば、語って尚、不変の人もいます。会話が境界意識のゲート開閉(DMNゲーティング)に及ぼす影響力もまた個体差の次元…。したがって方法論は親和性のより高いものを探していく果てしなき旅路ですな。

 あっ、そもそもの質問は「タッチレスで増悪した症例に対する対応は?」でしたね。その答えは「ひたすら聴いてあげる」です。本当は話したい何かがあるんだろうなという前提で、「僕でよかったら聞かせてください」みたいな。

 もっとも、本人が自分の気持ちをなかなか言語化できない場合もありますので、そのときは必ずしも問題の核心に迫るトークにはなりませんが、それでも会話によって癒される何かというものもありますんで。 

 「なるほどなるほど」と首を縦に振りすぎてムチウチになりそうです…(笑)。 痛み訴えているその間はどう対応しますか?痛みの程度としては「ちょっと痛くなってきた」ではなく、しかめっ面でグッと堪える程の痛がり方です…。

 タッチレスを含め施術中に激痛が出た場合、いったん施術を中断し、施術姿勢を変えるなどを試して患者の気を逸らします。どういう姿勢なら大丈夫なのか?と視点をずらすわけです。

 それでもダメな場合、相手がHSPであれば、BGMが合わないかしら?診察室の温度は?換気は?もし閉塞している感じがあったら窓を開けてみましょうか?とか…。そうやって気分転換を模索します。

 それでもダメな場合、椅子に座ってもらって会話モードに変えて傾聴のお時間にしちゃいます。だからこそカウンセリングを強調したBReIN(様々なアプローチの複合、統合法)という体裁の治療概念が必要なんです。

 そうでないと、施術数分で激痛で中断し会話で終了したときに治療費をいただきにくくなってしまうわけで。会話(カウンセリング)も大事な治療の一つなんですというメニューを掲げておくと「今日はこれで終わりになりますが、じっくりとお話を聴くことができて良かったです。今後回復していく上で大事なことが少し見えたような気がしますし…。有意義な時間だったと思います」と締め括るわけです。

 患者によってはたくさん話を聞いてもらって…と喜んでくれる人もいますし、中には残念ながら対話の意味をまったく受け入れず、治療をしていないのにお金だけ取られたみたいに受け取る人もいます。ちゃんと料金表なりパンフレットに書いておいても、尚そういう情報は素通りで、自分の思い込みだけでそう捉えてしまう人もいますが、まあ、そういうときは仕方ないと気持ちを切り替えるしかないですね。

 もっともそんな時でさえ、僕の中では光の解釈は健在なので、「それでもきっと今日の時間は絶対意味のあるものだった。あの患者の無意識には絶対に届いているはずだ」と、自己肯定感だけはしっかりキープしまっす!

 確かに、極端な言い方をしてしまえば「会話やカウンセリング=無料」という捉え方をしている患者さんは多いように思われますね。患者さんの側に接骨院や治療院は触ってくれる所、さわってもらってナンボ、というイメージが先行しているのもあるのでしょうけど。そこも含めての対処法、ありがとうございます。

 ちなみに、米国の臨床心理士やカウンセラーの中には「患者に触ることは汚らわしい」という世界観を持つ人たちがいるそうです。

 他方、スウェーデンや日本のタッチケア系のセラピストはひたすら技術だけを追いかけているので、同時にカウンセリングの重要性を指導する現場はあまりないようです。

 なので、世界的に見ても、我々のようなスタンスはかなり少数派だと言えます。

 前回のセミナーでの「方法論縛り」のお話を思い出しました。「カウンセラーはカウンセリングで解決しないと」、という縛りに陥っているようなものですね。

 脳をランドマークに考えられるようになっても、結局どこか一点集中になる傾向があるなと思っていたところだったので納得です。

 ちょっと話はそれるけど、っていうか、かなり脱線するけど、聴いてくれる?

 近いうちにセミナーか何かで、テスラの垂直統合と我々の認知科学統合の関係について、深~い講義をしようと思ってます。

 イーロンマスクは自ら発達個性の極みであることをカミングアウトしているけど、やはり発達個性的な脳の使い方をしないと、真のイノベーションを生み出すことはむつかしい…。歴史上の偉人、天才はほんっとに発達個性が多いよね。

 ただし、振り切ったまま元に戻せないと社会生活に支障を来す(スペクトラムが濃い~と障害認定が必要になっちゃう)ので、あくまでも「瞬間的に…」、だけどね。

 故障したテスラ車を修理する職人は、ソフトとハードの両方の知識が必須。テスラ車は走るスマホだから、当然と言えば当然の話。昭和のガソリン車とは訳が違う。見た目は同じ自動車でも、中身はもう、まったくの別物。

 人間の修理も同じなのよ。ソフトしか分からん、あるいはハードしか直せない、そういう修理屋は真の修理屋とは言えない、そして総論を語れない…、っていうか、そもそも語る資格がないんだけど、そのへん分かっているハード屋は少ないよね…。

 我々も気をつけなくちゃいけないんだけど、謙虚さのない医療人というものは患者にとって大きなリスク…。

◆HSPとLSPの違い、さらにHSS型の対応について

 強刺激介入を欲する患者には、相応の技術を提供しつつ、折を見て脳疲労ケアの情報を提供した上で、ソフト論やらBReINといった流れにもっていくことを想定していますが、相手がHSPのHSS型の場合はむつかしいことがあり、信頼関係の構築に苦慮することが…。

 で、そもそもの話なんですが、あっくんが提唱しているLSPについて質問です。基本的に「HSP=敏感体質、LSP=鈍感体質」みたいな認識で問題ないでしょうか?

 HSPとLSPの違いはざっくり言えば、感覚処理感受性(SPS)の有無あるいはその強さの違いですが、DMNゲーティングで言うところの、境界意識ゲートの開閉能力と深い関係があります。

 自分自身の内的変化を感じる力について、オイラは、昔これを五感力という言葉で表現してました。さらに高度に発達した五感力を「感応力」と呼んでいました。要は研ぎ澄まされた五感力です。

 つまり高いレベルのSPSを「感応力」と表現していたのです。これを考える上で、非常に分かりやすい例を挙げておきます。

 ウェーバーフェヒナーにおける「わずかな違い」を知覚する能力です。10gと100gの違いは誰でも分かりますが、10gと12gの違いは感応力がないと分からないといった具合。

 LSPは基本的に感応力に乏しい、あるいはほぼゼロに近いので、センシティブな刺激に無意識が反応したとしても、意識に上りません。そもそも脳の情報処理は「変化」に反応しやすく、「絶対値」には反応しない設計になっています。

 視覚はその典型で静止画像を見ていると何も変化しないので、マイクロサッケードといってミクロな眼振運動をすることで、自ら視点を動かすことで情報の変化を創り出して映像を処理します。

 脳はあくまでも変化に反応するのです。その変化の初期における極めて小さい値の変化に脳は強く反応します(これがウェーバーフェヒナーの法則)。

 LSPはその微かな違いを感じないので、結果的に強刺激を求めやすくなるわけです。ところが、同じLSPでも強刺激がダメな脳もあります。つまり外界から入ってくる情報に対しては鈍感だけれども、生体内部で起きた変化には敏感であるというケースがあります。

 これがHSS型すなわちHigh-Sensation Seekingで、刺激を求める一方で、酷く疲れやすいという自己矛盾を抱える人たちです。現状としてはHSPの中にHSS型があるという括りになっていますが、このようにLSPの中にHSS型があるという解釈…。一見矛盾するように思えるかもしれませんが、「ピラミッドは横から見ると三角形だけど、上から見ると四角形」と似たような話でして、正誤の問題ではありません。

 辛い食べ物が大好きで、毎日のように超激辛を食べるんだけど、それでいて下痢したり口内炎ができたりする人は、刺激を求める一方で、身体がネガティブに反応する…。あくまでもメタファーの次元ではあるけど、こういうのって、HSPの枠組みとして捉えるべきか、それともLSPの範疇にするのか、このあたりの判断は分かれる…、というのがオイラの考え。

 少し脱線したけど、HSS型は「微刺激に効果を感じない(満足できない)、でも強刺激には副作用が出る」という厄介な体質になります。こうした患者に対しては、人間力というか、まあ究極互いの相性(人間同士の親和性)がいいときだけ通院をキープしてもらえます。

 あとは認知の次元すなわち脳トップダウン回路でどこまで変われる余地があるか、あとは同じトップダウン回路でもマインドフルネスや認知行動療法のような次元でどこまで変われるかといったところでしょうけれども、我々のような施術現場にあってはこういったトップダウン系を受容する患者はそもそもあまり来ません(泣)。

 真にマインドフルネスを求める類いの人ははなからそっち系の専門家のところへ行きます。我々のようなところに来る人はそもそも受け身スタイル(フィジカル経由のボトムアップを求めている人たち)なので、そういう出遭いが僅少です。

 ですから、オイラは将来的に看板に「HSP専科」と掲げて、HSPやエンパス専門という窓口を作って、そういう人たちだけを相手にしたほうがいいのかなと思うことがあります。

 HSPは入力の微かな違い(刺激の中の小さな変化)を感じますので、センシティブな療法を受けても「治療された」という実感が伴います。LSPではそれが決定的に「ない」のです。

 ですから「治療を受けたという満足感」に至りません。HSPでは少なくとも良くも悪くもそういった意味での満足感は感じてもらえます。ただ、その反応もピンキリなので、HSPだからよく反応して治りもいいというわけではありません。

 でも治療に対する信頼感や満足感を持ってもらえるので、たとえ完治というゴールにたどり着けなくてもある程度通院を維持してもらえますし、互いの人間関係も良好で行けるケースが多いという印象があります。

 そういった意味で精神衛生上HSPと向き合っているほうがいいかなという感じです。相手がLSPで、こちらのいかなる施術にも反応しないにも関わらず、つまり改善の自覚がないのに通院を続ける人がいます。この場合、その患者が求めているのは術者との人間的な交わり、つまり何かしらの交流を持ちたいという無意識の顕れです。

 治療効果とは裏腹に通院してくる患者は、こちらの別の何かに反応している場合が多いです。

 HSS型の中でも回復の悪いタイプは、やる気スイッチが強く入り過ぎて自分が見えなくなるタイプです。自分に対してのブレーキの踏みどころが分からないので、倒れるときはドカーンと倒れます。

以前、うちに通われていた線維筋痛症の方がそんなタイプの方でした。 FMラベリングをされる患者の中にも、下敷きにはHSPやHSSがあったりするのでしょうか?

 あるかもしれません。FMとHSPの関係、FMとHSSとの関係については、そういった視点で介入するFM研究者がほとんどいないので、該当する統計データは見当たりませんが、もし出されたら、かなりのインパクトになるでしょうね。

LSPの中には、失感情症や失体感症が関わっているケースもありますか?

 鋭い質問ですね!たしかにアレキシサイミアやアレキシソミアの中には、ほぼLSPと重なる人たちがいます。ですが、まるっきり一緒というわけでもなく…、あと脳疲労マスキングとも深く関わってきます。

 これについては、また別の機会に詳しくアウトプットさせていただきます。

 問診や心理テストなどで、事前にLSPであることが分かれば、施術者にとって精神衛生上かなりメリットがありそうですね。そういうのってありますか?

 たとえばアレキシサイミアであれば、TAS-20があるけれど、包括的にLSPの度合いを推測できるような手段は、今のところ見つかっていないなあ。

 ならば自分で作ればいいってことか!挑んでみませう!

よろしくお願いします!

排尿痛の症例

 排尿痛の患者、経験ある方いますか? 泌尿器系の精密検査で異常なし。排尿痛ある時とない時がある。 クライアントの旦那なので、実際の身体所見は取れてないですが、排尿痛がソフトペインだった例ってあるんですかね?

 排尿痛かあ…。

 排尿痛の症例は、私はないですう。 朝勃ちがなかった人が元気になったり、生理終わってたはずが来ちゃったりとかはあったけど。

 そっちの改善もあるんですね!すごい!

 おお!オイラも小百合さんの施術受けたいなあ(笑)。

 まず自分の話だけど、38歳くらいのとき、排尿痛が強くなって泌尿器科を受診したら、尿検で細菌(−)ということで尿道炎や膀胱炎が否定され、直後に、若くてきれいな女医さんに肛門に指を突っ込まれて前立腺触診!

 そしたら「あへええ~~イタタタ~」と、あり得ないほどの超激痛!で、めでたく前立腺炎が確定!

 原因が分かって安堵したんだけど、それ以上に、きれいなお姉さんに尻の穴を見られて、指挿入されたことが一生忘れられん(涙・爆笑)。

 それと長年、膀胱炎を抱えていた患者が、担当医から「最近はずっといい状態なので、そろそろ経過観察のほう卒業しましょう」と言われ、「最後に念のため、精密なスクリーニングだけやって終わりにしましょうね」と、検査項目を増やして尿検したら、癌細胞が見つかった(結局、腎盂尿管がんの診断で片側の腎臓~尿管を全摘)というケースがありました。

 この患者は、がんが見つかる半年くらい前から、ときおり下腹部の違和感および排尿時の違和感を訴えていたんだよね。それがまさか、がんが見つかるなんて想像もできなかった…。

 で、オイラの臨床経験値では、排尿痛がソフトペインだったというケースは、まだ遭遇したことがない…。

 ただし、過活動膀胱がBReINで改善したケース、心因性頻尿が完治したケースはありました…。いずれの症例も、症状に排尿痛は含まれない…。

 で、結論を申し上げますと、泌尿器科系の痛みに遭遇したら、基本ハードペインという認識でいたほうが無難だと思います。

 なかには、もしかするとハイブリッドペインあるいはソフトペインもあり得るのかもしれないけど、臨床上の遭遇確率を考えると、とりあえずハードペインを前提にして臨床に臨んだほうが安全だと思う。

 オイラも、がんが見つかった例の患者に、下腹部や排尿の訴えに対してソフトペインありきの姿勢ではなく、わりとニュートラルな姿勢で対峙していたので、恨まれずに済んだ…。

 もし「ソフトの問題だから心配ないですよ」みたいなことを言っていたら、かなりマズいことになっていただろうからね。

 以前もセミナーで話したと思うけど、ハードペインの3大要因「つまる・破れる・ねじれる」は常に念頭に置いて診療にあたるべき。

 つまる=腸閉塞に代表される通過障害。破れる=動脈瘤破裂やクモ膜下出血に代表される亀裂現象。ねじれる=腸ねん転に代表されるねじれ応力。

 人間の侵害受容器は物理的にこうした3要因には必ず反応するよう設計されている。たとえば筋骨格系は本当にねじれ応力にハードペイン必発。

 結石の問題も含めて、排尿痛は何かしらの通過障害と捉えることができるので、やはりハードペインの温床なんだろうね。

 というわけで、基本的に排尿痛にでくわしたら、ひとまずソフト論は脇に置いておいて、ハードペインを前提にして患者と向き合っていたほうが、後々、面倒なことにならないで済むので、万が一ソフトペインだったら、すげ~!くらいの感覚で、ケアに当たりましょう。

 以上でえす。 

 了解です。聞いておいて良かったっす。危ないところでした。ソフト論のベクトルでアプローチしてみようかなあと思ってたもんで。

 それにしても、あっくんの激痛体験はすごいっすね。よりによって若い女医さんが担当医だったっていうのが笑えました。ネタじゃないっすよね?

 ネタなわけあるかい!ほんっとにきれいな人だったよ。女優さんかと思うほど。とにかく、めっちゃ恥ずかしかったのは、触診された瞬間、あまりの痛さに声を上げてしまったこと。診察室の外にまで響き渡っていたんじゃないかな。マジで絶叫しちゃったもん(笑)。

◆閉経後の生理痛はソフトペイン?

 https://bunshun.jp/articles/-/57535?device=smartphone&page=3

こんばんは、あっくん。上の記事にある閉経した後も体調はその周期でだるくなるという現象。こういうのって、やはりソフトの次元ですか?それともハードの問題なんでしょうか?

痛み記憶の再生のように、脳が作り出すんでしょうかね?それとも単純に身体の変化が出てるという解釈?

 閉経後の生理痛は古くから知られている痛みの謎の一つですが、自説「痛み記憶の再生理論」のなかで触れている通りソフトペインが多いです。痛み以外の不調も、脳内の記憶再生回路が関与します。CBTやカウンセリング、マインドフルネスや瞑想等々のトップダウン回路で疲労感やイライラが改善するケースが多いことがその証左です。

 視床下部を介したホルモン制御系は、対象器官が失われても、そのままのバイオリズムとして、しばらく継続する場合があります。たとえば子宮摘出後に現れる生理痛などがその典型例ですが、こと痛みに限って言えば、圧倒的にソフトペインが多いです。

 ハードの問題が脳の影響を全く受けることなく、それ自体単独に顕現し続けるというのは、バイオリズム系の臨床においてはかなり僅少で、人間の身体はそこまで脳との絶縁関係を維持できるようには設計されていない…。

 つまりソフトの影響を全く受けないハードのシステムというものは、我々の臨床では想定しずらい、というか、想定する必要がないくらいだと考えています。ソフトは無論のこと、ハードと対峙する場合においても常にソフトの次元を念頭に置くべきでしょうね。

 患者にソフトペインを説明する際、もし相手が閉経後の生理痛関連を経験していたら、それを引き合いに出して、「だから、今のあなたの腰痛も…」と話すと、ソフトペインを理解してもらいやすくなります。

納得です! いつもありがとうございます

◆BFIとBReINの違い

BFIとは?(一般向けサイト)
BReINとは?(一般向けサイト)

BFIとBReINの明確な違いってありますか?

 一番の違いはBFIにはカウンセリングという項目が入っておりません。つまり統合療法という概念が明記されていないわけですが、一方でBReINの場合、カウンセリングが明記されており、日本語名のとおり「選択的統合法」という概念が強調されています。

 コンセプトとして、BFIは手技療法で、BReINは統合療法というイメージですかね。

なるほど。すっきりしました!ありがとうございます!

◆脳疲労マスキングの兆候

脳疲労マスキングの症例が目の前に来たとき、ビビッと分かる方法ってありますか?何か特徴的なサインとか?

 マンテストでまったく立てない、段差のないところで転んだとか、自律神経の数値(トータルパワー)がめっちゃ低いとか、そういうのがあっても、自分の体調に問題がないと自覚しているケース。

 それと問診の際、暑さ寒さの違いに鈍感だったり、口渇を感じなかったり、胃痛の経験がなかったり…。このあたりはアレキシソミアとも若干かぶるけどね。

 あとは普段感情解放が全く見られない人も要注意かな。

ありがとうございます!できれば心理系のテストみたいな形で、何点以上は要注意とか、体系的に推測できる手段があると助かります。そういうのってありますか?

 たしかに、そういうのあるといいよね。でもオイラの知る限り、まだそういうのはないと思う。

 そっかあ、なら、自分で作ればいいんだ!とは言っても、そんな簡単に作れるような代物でもないし…。でもチャレンジしてみます!

学会名の統一?(名刺の肩書きはどうすればいい?)

学会名の頭は日本と国際で統一するっていうのはアリですか?

 「統一したほうがいい」という意味ですか?つまり「どちらか一つだけにしたほうがいい」と?

自分のプロフィールの記載にどちらがいいか迷ったもので…。

 なるほど、そういうことでしたか!オイラは相手によって2種類の名刺を使い分けてます。患者用と医療者用の2タイプです。

 患者に対しては「日本認知科学統合アプローチ学会」を使用し、医療者(同業者)に対しては「日本認知科学統合アプローチ(COSIA)学会」という具合です。 

ありがとうございます。で、統一の件は?

 それについては、いろいろ考えるところがあってね…。いずれ機会を改めてしかるべきときに相談させていただきますね。とりあえずは、患者向けの一般サイトは「日本」、医療者向けの会員サイトは「国際」という現行通りでいかせてください。よろぴくですう。

 分かりました。

 あと言い忘れましたが、自院のウェブサイトについては、皆さん基本的に患者向けの情報発信でしょうから、日本認知科学統合アプローチ学会でいいと思います。

 了解しました。

◆マンテスト

マンテスト(閉眼して平均台の上に立つ姿勢を10秒間):航空身体検査をBFIの臨床検査に転用

ぼくはグラッグラなんですけど、あっくんはマンテスト余裕ですか?

 オイラもグラッグラです(笑)

 だから、患者でバシッと立てる人がいると、「すげ〜なあ、俺よりよっぽど小脳元気じゃね〜か」って羨ましく見てるよ。

患者に施術したあとはブレにくいとかあるんですか?

 しっかり立てるようになる人、変わらない人、反対にグラつきが強くなる人に分かれます。

術者も然りですか?

ですね、

 例の超個体差、ですか?

オフコース!

 今度あっくんの施術受けに行きま~す。マンテストの結果がどうなるか興味津々でっす。

◆筋緊張ハイパーなタイプ

・アングラクション:BReINの重力開放系テクニック(関節を天井方向に微力牽引)
 ・リングタップ:BReINの引き込み系テクニック(極微のタッピング刺激)

 術者のアングラクションに同期して不随意的に自動する筋緊張ハイパーなタイプは、リングタップなどルーチンテクニックで脳疲労を鎮静して解除を図る認識であってますか?アングラクション継続しても殆ど解除できないですよね。

 ハイパーFF(造語一覧のハ行)は、小脳系からのアプローチではうまくいかないもんね。 リングタップなどの引き込みで、変わる人と変わらない人がいる(後者の方が多い)。

 ハイパーFFは、トップダウン回路が最も効果を現します。 患者と話をしながら行うアングラの場合(普通はこういうのはしないけど)において、こちらとの会話が弾んで、いい方向に向かうと(いい意味でリラックスする)と、緊張が解除される一方、会話の中身によっては逆に興奮してハイパーFFが強くなります。

 傾聴カウンセリングなどでの事前アプローチも影響を与えます。 患者が来院する前に何らかの影響を受けたことによる精神状態も関与してきます。 いずれにせよ、ハイパーFFの現象が出ていて、アングラがスムースにできない症例は、ボディからの働きかけより、マインドへの働きかけの方が功を奏することが多いです。

あああ、すっごい納得です。そういう症例多いです。言語化できてスッキリ。ありがとうございます。

◆アングラクションの個人的な改良

 股関節アングラクションの際、モニターなる所見が欲しくて筋膜張筋や臀筋を触れながらやっているんですが、そうするとあっくんの形と違ってくるんですよね。
 
 例えば右下肢への施術の場合、術者の左上肢を膝窩へ差し込み抱えるのがスタンダードだと思うんですが、左でモニターとってるんで右上肢で操作する感じに変形しちゃってるんです…。

 ちなみに肩の時も、右上肢に対して右手で肩周囲筋を触れながら左手で手関節部を把持して操作する感じ(伝わらなかったらすみません)に変形してる感じです。

 ※全部ではないです。 筋硬度とかモニターにするとその場で変化感じるので、やめ時がより明確化するかと思ってそうしています。 

 あと自分的には新しい気付きなんですが、垂直よりも浅い角度や深い角度で操作するとブワッと緩むケースもあって、「これ触りながらじゃないとわかんなかったなー」って。

 ピアノ売ってちょ〜だいのCMの感じで、「そのと〜り!」。いや本当そうなんだよね。そのあたりの角度が一番効果が出るよね。

 BReINは基本的にセルフアップデート自由です!基本理念の共有が前提で、テクニカルなものは全て各会員のオリジナルに委ねています。

 その理由はヒトの身体感覚にも当然ながら個人差があって、体の動かし方、手の置き方、触り方、全てにおいて個人個人にとって最適な方法というものがあるので、そこを最優先にすべきと考えています。

 当然ながら、これはPtoBだけに通用する世界観です。ハード論すなわちPtoPの世界ではほぼあり得ないでしょう…。外科的な手術だとか、骨折の無血整復だとか、そういったPtoPの世界には存在しない視座です。

 現存するほとんどの手技療法はPtoPの範疇にあるため、創始者の身体感覚に依存する形で技術が伝承されます。

 そのため創始者とは異なる身体感覚を持つ弟子にとっては非常に難しいものになり、反対にたまたま近い身体感覚を持っている者が再現性に優れているために周囲から尊敬され、本人も自分が優秀だと勘違いし、そういう勘違いの連鎖が本質から遠ざかることに気づかない信者たちを量産することになります。

 他方、我々が実践するPtoBの世界では、ベース理念コアをいかに共有することができるか、そしてその上でいかに各個人のオリジナリティーを尊重できる体制であるか、といったことが最重要命題になります。

なるほどです。今後も何か自分なりの改変見つけたら、報告させていただいていいですか?

 オフコース!