2022年5月、当会は日本脳弾塑性学会という名称を「国際心身統合療法学会」に変更し、さらに2023年3月に、「日本認知科学統合アプローチ(COSIA)学会」に改めました。

 名称を変更することになった理由と経緯については以下のとおりです。

 当会の起源は関節運動学および関節神経学の臨床研究でしたが、やがて脳節相関(脳と関節の相互作用)の視点をきっかけに神経可塑性の世界へ…。

 その後、ブレノスタシス(脳独自のホメオスタシス)をベースにして、オーバーロード(脳過負荷)による脳恒常性機能不全(BD)という概念に逢着したことで、可塑性ではなく、弾塑性という視点(神経回路の再編成と脳レジリエンスの両方)が重要であることを発信すべく、「日本脳弾塑性学会」を創設しました。

 当初は海外を意識する視点はありませんでしたが、国外から問合せをいただくようになり、それらにお応えするなかで、当会の理念に深い理解と共感を持っていただける、そういう医療者やセラピストが海外には相当数潜在している可能性が見えてきました。

 そこで、当会は活動の場を国際的なフィールドに移すべく、サイトの多言語化に踏み切りました。

 こうした流れのなかで、海外への情報発信を考えたとき、学会名称に関して再考を迫られることに…。はたして現状のままでいいものかどうか。

 実は海外では脳レジリエンスという視点はあまり一般的ではない、すなわち脳弾塑性という看板に訴求力がない可能性…。

 であれば、それ以外の顔を模索する必要があり、以前から施術理念を表す用語のひとつとして、当会が使用していた「心身統合」という概念を学会名にあてました。

 しかし、「心のケア」に関わる日本の精神文化は成熟しておらず、とくに運動器プライマリケアにおいては心理セラピー、心療内科といった言葉の響きに対する無意識レベルの偏見が、いまだに根絶され得ないという現実があり、心という文字が看板に含まれることのリスク、すなわちこれを忌避する患者さんが一定数おられるという現実が横たわっており、結果、この学会名は1年たらずで不採用となりました。
 
 そして最終的に、当会の理念の根底に立ち返り、やはり「認知科学と医療の融合を追究する学会」であることを、より直截的に表す用語として「認知科学統合アプローチ(COSIA)」を採用するに至りました。

 以上を踏まえ、「日本認知科学統合アプローチ(COSIA)学会」は主に患者向けの一般サイトとする一方、当サイト「国際認知科学統合アプローチ(COSIA)学会」は世界中の医療者やセラピストに向けた会員サイトとして運営してまいります。