#重力感作 #JPSテクニック(アングラクション) #重力アレルギー #重力と免疫 #関節変形因子 #ポリファーマシー #減断薬アプローチ #身体拘束
◆日時
2019年 10月22日(祝) 13:30~17:30
◆会場
⇒大宮ソニックシティ 5F 会議室 501
アクセス:JR大宮駅西口から徒歩3分
〔住所〕 さいたま市大宮区桜木町1-7-5
〔TEL〕 048-647-4111
駐車場:ソニックシティ地下駐車場…30分/200円
(利用時間 7:00~23:00)
当日プログラム内容
◇特別講演[Ⅰ] |
当会の基本スタンス-現代医学は運動器疾患における診断哲学を根本的に見直す必要がある、すなわち「形態学上の診断と痛みの原因診断を明確に切り離すべき…」-において、その論拠の一部に新たな視点を提起いたします。
当会サイト運営の見直しに伴い、現在閉鎖中のブログ記事「衝撃をブロックする制震機能-関節内圧変動システム-」の中で紹介した『OA発症に先行する内圧制御不全(※)』。この理論を補完するとともにBFI におけるJPS(関節深部感覚)系テクの効果を説明する新理論となります。
(※)…そもそも関節内圧はなぜ存在するのか?
その答えは「関節は抗重力装置に他ならないから…」。海中における水圧は物体にかかる圧力が四方から等しく加わるが、他方、陸上では常に垂直方向への引力にさらされるため、重力に対して関節が平行の状態にあるのか、垂直にあるのか、斜めにあるのかによって関節内の応力が変化する。ひざであれば、立っている時は垂直荷重の圧縮力が加わるが、寝ている時はせん断力が働く。
こうした応力の変化に柔軟に対応するため、センサー感知型の内圧変動システム(関節反射)を獲得したのではないか。陸上動物の関節は建築の制震技術と同様に“抗重力装置”としての意味合いが強い。これが故障すると関節内部の応力を制御することができなくなり、高層建築における制震装置の不具合が耐震強度を低下させて躯体の損傷に繋がるのと同様、人体においては結果的に関節変形を引き起こすのではないか。以上の見解は建築工学と医学の融合に依拠するものである…。
変形性関節症(OA)は脊椎動物のほとんどに見られることが分かっていますが、例外的に逆さまにぶら下がるコウモリやナマケモノにはほぼ生じないと言われています。これは重力による垂直荷重の圧縮力を受けないからだと推論されます。
また重力と免疫システムに関わる研究によれば、実験的に重力を変化させると免疫記憶機構(メモリーT細胞と抗体親和性成熟)の働きやサイトカイン(インターロイキン17A)の産生、および抗原感作されたリンパ節のIL-6遺伝子の発現にも影響を及ぼすことが分かっています。こうした基礎医学上の知見を踏まえ、以下の内容について講義いたします。
①“重力感作”というものが関節の変形因子を考える上でいかに重要な視点であるか。
②関節変形におけるRAとOAの違いをどう捉えるべきか。
③BFIにおけるJPS系テクや重力マインドフルネスは“重力減感作療法“と言い換えることができること、およびその理由。
④ある条件が重なったときに関節内圧が急減圧する-ほぼ消失と言ってもいいかもしれない-瞬間があり(当会はこれを“関節反射ショック”と呼んでいる)、この現象にあっては関節包内で生じた組織間衝突を感知した機械受容器(mechanoreceptor)による一瞬発作性のハードペインが生じること、これ自体が長く続くことはなく、慢性痛にあってはそのほとんどがソフトペインであること、医師が変形画像を見るタイミングと患者の訴えが同期するとあたかも「OA=痛み」のように見えてしまう等々。
⑤むち打ち損傷と説明される頚痛の多くは微小関節反射ショックによる遅発性ハードペインである等々。
ちなみに当会が実践する様々な技術を脳可塑性誘導(BPI)の見地から分類すると、以下のようになります。
1)入力による脳可塑性誘導〜passive(受動的)BPI〜
BFIルーティンテク(タッチケア)・JPS系テク・触覚同期ミラーセラピー・皮膚回旋誘導テク・
スキンラップ・三上式プライトン固定・他
2)出力による脳可塑性誘導〜active(能動的)BPI〜
重力マインドフルネス・認知行動療法&ACT・イメージトレーニング・他
3)入力&出力による脳可塑性誘導〜passive-active(受能動的)BPI〜
自動運動を併用した触覚同期ミラーセラピー・他
“重力”に対する当会のスタンス
当会は痛みの臨床を究めるにあたり、原因論の起点を成す「意識とは何か?」から量子脳理論(量子力学的アプローチ)を経て、“重力の量子化問題-重力理論はマクロ(相対論)とミクロ(量子力学)を同時に説明できない-“に辿り着いた。
また脳の情報処理における時間差の問題(感覚醸成には0.5秒のタイムラグがある)や無意識における10秒先の未来予測などを考察する過程で、“時間の矢”と呼ばれる問題(なぜ時間は前のめりに一方向にしか進まないのか?)にも直面した。
“脳”を考える上で、重力と時間の問題は避けて通れない重要テーマであり、いまだ謎に包まれている“重力”を語ることに対しては慎重な姿勢が求められる。こうした事情を踏まえ、当会においては相対論、超ひも理論、ダークエネルギー、マルチバース(多重宇宙)といった方向性はとりあえず脇に置き、現状はニュートン力学以前の概念で重力を扱うこととする。
◇特別講演[Ⅱ] |
当会は運動器リハおよび痛みの治療を追究するなかで脳の可塑性という次元に逢着し、紆余曲折を経て脳疲労とデフォルトモードネットワーク(DMN)の関係性を見出して後、小児から成人に至る様々な発達個性、気分障害(うつ)やパニック障害、認知症といった広範囲に及ぶ臨床経験値を積み重ねてまいりました。
その結果「現代社会には脳可塑性を発現させることに特化した専門職が絶対に必要である」と確信するに至りました。
近年における脳科学の急速な発展は神経細胞(ニューロン)の仕組みを解き明かすと同時にニューラルネットワークをベースにしたディープラーニング(深層学習)を生み出すことで人工知能(AI)の誕生を後押ししました。
他方、脳科学の足下である医学医療にあっては、当会のごとき臨床ファーストの理念を持つ現場からフィードバックされる知見が極めて重要であることが示されています。なかでも爆発的に増えている発達個性やHSPのケアおよび成熟した高齢化社会への移行を担保する上で、“脳疲労”という視点が必要不可欠であることが鮮烈に明示されています。
こうした背景を踏まえ、まだ仮名に過ぎませんが脳可塑性誘導師(臨床整脳師)-英語名を略してBTと呼ぶことにする-という国家資格の創設を厚労省をはじめとする関係諸機関に働きかけていく将来展望について披瀝いたします。
「脳におけるハードの専門家は脳神経外科医だけど、脳ソフトの専門家は脳可塑性誘導師(BT)だよね」という未来に向けて…。
◇特別講演[Ⅲ] |
(画像は「NHKニュースウォッチ9」より一部加工)
前回の研修会の続きです。ポリファーマシーのなかでも、特に高齢者の薬物依存に対しては我々コメディカルにできることは僅少という話をさせていただきました。そもそもの話、肝心かなめの出発点のところで変わることが一番望ましいわけですが、以下のようにNHKが取り上げたところで、こうした動きが全国に広まって加速していくのか、遅々として進まないのかは不透明な情勢と言わざるを得ません。
周知のとおり現代医療は高潔な建前と資本経済が交錯するカオスと化しており、理想論がシンプルに通用するような生易しい世界ではありません。基本的に自浄作用はあまり期待できないという現実があります。これ以上直截的な表現は慎みたいと思いますが、要は医師を頂点としたピラミッド構造の職制に対して、そこから独立した第三者的な国家資格が必要だという視点です。これは同時に医療費抑制の切り札となります。
「医療に限らず保育から介護に至るあらゆる現場で機能するBTは、“個人はもとより地域社会の健康”を土台からサポートする画期的な制度になり得る」という自論を展開いたします。
◇特別講演[Ⅳ] |
(画像はNHK「クローズアップ現代」より一部加工)
最近のクロ現のなかでは最大級の反響があり、放映直後から全国の現場関係者からNHKに批判の電話やメールが殺到した為、急遽アンサー特番が放映されました。「理想論を押し付けるな」「現実を分かっていない」などなど、その多くは看護師や介護福祉士からの反発だったようです。
身体拘束せざるを得ない現場の苦悩に対して、現場での対策や対応のみに焦点を当ててしまったことで、真の被害者(看護師や介護福祉士ら)が結果的に加害者扱いされたかのように番組が作られてしまったことが、今回の大反響(大反発)の核心だったと、私は見ています。では、真の加害者とは?その答えは特別公演[Ⅲ]の中で…。
NHKとしてはこの企画内で“真の原因”について触れてしまうと、より巨大な組織からの反発が予想されたため、別の時間帯の別の番組でさりげなく回答を提示していたのではないか、比較的近いタイミングで「ニュースウォッチ9」があのような特集(ポリファーマシー対策)を放映した背景にはそんな思惑があったのではないか…。あくまでも個人的な妄想に過ぎませんが。
私はかつて自分が副院長を務める整形外科において、若葉マークの医療スタッフに対して“あること”を義務づけていました。スタッフ自身に手足のギプス固定を体感してもらうというものです。「ギプス固定される患者の気持ちが分からなければ、それを行う資格はない」という信念に基づく措置でした(こうした姿勢から生まれたものが三上式プライトン固定)。
アンサー特番のスタジオに招かれていた反発サイドの代表者(看護師)が、番組のロケ(身体拘束ゼロに成功した病院に見学に行くという企画)の中で、実際に自身が身体拘束される体験をしたところ、「こんなにつらいとは、悲しすぎる…」と涙…。このシーンは多くの視聴者の胸を打ったのではないでしょうか。
世界に冠たる究極のタッチケアを武器に持つBTが、もし“そこ”に存在するならば、自分の家族が、あるいは未来の自分が身体拘束される可能性は相当に低いはず…。
当日は大反響を呼んだ初回放映版をビデオ供覧した上で、暴力行為や汚物を投げつけるなど大不穏に陥った認知症の患者さんの治療に赴き(特養に往診)、決死の覚悟でタッチケアを行い、その場で不穏を鎮めることに成功した私の実体験を披瀝しつつ、未来のBTが果たす役割の大きさについて概説いたします。
◇特別講演[Ⅴ] |
(画像はNHK「ガッテン!」より画像一部加工)
先日放映された「ガッテン!」では、ACTが紹介されました。はじめに「人間の痛みが認識や感情にいかに左右されるか」を検証した実験映像からスタート。そして「前頭前野と痛みの関係性」「痛み=感覚+感情」「痛みは脳内に残る」といったメカニズムが説明されました。
今回は前頭前野に焦点を当てた番組作りでしたが…。NHKさん!そろそろ当会の考えを公共電波に乗せてみては…?!当会は近い将来体制を一新して、治療名もリニューアルして大きく生まれ変わる準備をしていますので、その“最終形”を見極めた上でご検討いただければと…。
当会の視点-ブレノスタシス(脳恒常性)機能の発現プロセスまたは機能低下-から見ると、「脳局在論はどれもみな原因ではなく結果に過ぎない」と映ってしまうため、今回の番組もまた同じ展開か…、という気持ちが正直ありますが、世人への啓蒙という観点からは大同小異、歓迎すべき流れであり、ありがたく受け留めています。
海外(西欧)において治療名がそれらしくカテゴライズされると、俄かにスポットライトが当たるという流れ…。かつて整形に入職した直後から森田療法を勉強、実践してきた私にしてみれば、「日本には昔から森田療法があったんだけどなあ」と思わず呟きたくなります。そう言えば、瞑想もアメリカ経由でマインドフルネスに…。
当日は短く編集した番組映像を供覧しつつ、当会が発足以前から実践してきた認知行動療法とACTについて解説いたします。この講義を聞いていただければ、未来のBT像について「タッチケアを駆使する臨床心理士」といったイメージを持っていただけるのではと…。
実技演習 ◆皮膚回旋誘導テクニックのアップグレード |
このたび腰部(仙腸J)、下肢、頚肩部の皮膚回旋誘導の開発に成功しました。下肢については既存テクのアップデートになりますが、腰部と頚肩部の皮膚回旋については今までになかったまったく新しいテクニックです。これまでのBFI開発史の中でも相当にスペシャルだと自画自賛しております!もちろん私の主観ではなく、患者さんの理学所見や訴えの変化が非常に劇的だということです。
毎度似たようなことを言って恐縮ですが、刮目すべき衝撃的な効果が期待できますので当日を楽しみにしていてください。なお皮膚に直接触る技術のため、下肢の実技に必要な施術着をご用意ください。できれば下の写真のようなジャージか、短パンか、バミューダパンツのようなものをご持参ください。よろしくお願いいたします。お手元にない方はこちらで用意いたしますのでご安心ください(5着ほど予備があります)。
※実技演習について
当会の実験および実技演習には初参加者の方も加わっていただいておりますが、これまでのところ支障を来たした例はございません(皆無です)。どなた様におかれましても、問題なく安心してご参加いただけます。
初めて参加する際、「実際の技術はどれくらいの力加減なのか知りたくて…」という方が多いのですが、まさしくその絶好の機会と捉えていただければと…。
[E:#x27A1]BFI研究会の動画専用ページ(You Tube)はこちら
なお、当日プログラムの内容は予告なく変更されることがあります。何卒ご容赦ください。