- セミナー概要
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当日は座学と実技演習の2部構成となっており、講義内容としては主に認知科学統合や脳弾塑性に関わる知見および総合臨床の実例等についてご報告いたします。
実技演習ではBReINのアップグレードおよびアップデートを行います。初参加の方にはインストラクターが1対1で対応いたします。術者と被験者の両方を体験できる貴重な場となっております。手技療法の経験の有無に関わらず、どなた様におかれましても安心してご参加いただけます。
会場はJR大宮駅から徒歩3分です。アクセスの詳細は大宮ソニックシティ(地図)にてご確認ください。
- 当日の講演および技術系アプデの内容
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①定期講演『hyper muscular defense(ハイパーMD)の臨床~体位によって変化する無意識下の持続性過緊張~』
講義の概略
ボデイワーク系の現場では、ベッド上の施術に際して、腹臥位、側臥位、仰臥位など複数の体位が想定されるが、そのそれぞれにおいてリラクゼーションの度合いが、実は患者ごとに異なる。こうした次元を追究していくと、想像以上の個体差があることに気づく。
その背景にはギックリ腰などの病歴とそれに伴う施術体験の過去、寝具買い替えの遍歴、生活や職場の環境因子など様々な次元が複雑に絡み合っていることが分かる。
今回はある整体師による特殊な施術体験(仰臥位での不快な記憶)がトラウマになっている症例を紹介し、股関節アングラの際に知覚された持続性の筋性防御(MD)と、それに伴う術後の悪化等について解説する。②定期講演『hyper synchronized output(ハイパーSO)の臨床~発語に同調して現れる筋出力反応~』
講義の概略
ごく少数例だが、施術中おしゃべりを止めない患者がいる。当方はそうした行為に対して、感情解放の一部と見なしつつ、認知科学の観点から何かしらの発見に繋がる可能性があると考え、あえてそれを放置している。
そのような患者の中に、股関節アングラの最中、自身の発語の抑揚に同期して筋出力するタイプが存在する。自身のおしゃべりに完全に同期して大腿筋の収縮が生じるのである。ノンバーバル・コミュニケーションのひとつ“ボディランゲージ”はプレゼン時のジェスチャー(身振り手振り)から自身の毛髪や額に触れたり、唇をなめたりする「なだめ行動」まで種々あるが、難治性の痛みやむくみを抱えている患者の中に、無意識のボディランゲージをルーチン化させている、すなわち自身の意識活動に同期させて局所の筋トーヌスを高めてしまっているケースがある。
脳内において精神回路と運動回路の機能的結合性(発語アウトプットと骨格筋アウトプットの同期現象)が生じていると考えられる。その実際の症例を取り上げて詳細に解説する。
④技術系アップデート『股関節&骨盤アングラにおける「対ハイパー系テクニック」~3種類のハイパー個別対策~』
アップデート概略
アングラ系の技術導入は我々に多くの発見をもたらしており、従来のボデイワークでは知り得なかった無意識が作り出すいくつかの過緊張タイプの存在が見えてきた。
施術者の手技に対する過敏な予測動作(先回りの筋出力)をしてしまう「ハイパーFF」については既に報告済み。今回は新たに「ハイパーMD」および「ハイパーSO」に対する個別のテクニックを紹介する。⑤技術系メジャーアップデート『新技術公開!骨盤スウィング・両膝スウィング・側臥位での股関節アングラ・他』
アップデート概略
アングラ系およびスウィング系の新テクニックを紹介し、いつもどおりのミックスペアリングのセッション(技術の体感評価)。ここ数年の中でも指折りのメジャーアップデート。是非その心地良さを体感していただきたい。
⑥定期講演『通院中の患者が新型コロナで急逝~フードリングのタイミングを考える~』
講義の概略
こちらの動画(期間限定で完全公開中)で紹介したアレキシサイミア症例(30代男性)。本年正月に微熱が出て自室で寝ていたが、2日後に意識のない状態でいる本人を母親が発見。そのまま帰らぬ人に。
通院4回目より当方の施術効果を実感するようになり、数年ものあいだ、一度もできなかったロングドライブができるまでに回復。その矢先にまさかの…。
子供の頃からラーメンが大好きで、食べ歩きが高じて自らがラーメン屋の店主となっていた本人(主訴は胃腸の不調)を前に、フードリング(とくに小麦の問題を伝えるべきだったが)をためらった当方の判断について、その是非を含め総合臨床家の在り方について考察する。「救えた命だったのか…!?」⑦定期講演『血液検査とフードリング~経年変化を時系列に確認することの意義~』
講義の概略
頭痛・肩こりで通院中の患者が、尿管結石で救急搬送されたのを機に、どういうわけか以前から指摘されていたγGTPの高値(180超え)に不安を募らせて経過が不安定になった症例。
血液検査の結果を当方に提示して、肝臓に対する恐怖心を披瀝してきたため、フードリングを実施。その数週間後の採血でγGTPが不変であることを知ると、診察室で絶望感を露わにし、フードリングの効果に疑問を呈するような態度を示したが、当方のある助言をきっかけに信頼関係が回復。その詳細な経緯を報告すると共に、血液検査の見方について総合臨床家が押さえるべきポイントを解説する。
⑧定期講演『ボデイワークが感情解放もしくは記憶のアウトプットを促す現象について~傾聴カウンセリングとボディワークの施術順序を考える~』
講義の概略
講師の現場は完全予約制(初診時は90分~120分、再診時は60分程度)であり、通院継続の患者に対しては、最初の30分が傾聴カウンセリングまたはチャッティング(世間話を装った会話療法)で、後半の30分がボディワーク系の施術というスタイル。
ところが、施術が終了したあとになって、堰を切ったように感情解放を行う(本人が無意識に抱えていたストレス記憶を放出する)患者がいる…。次の患者が待っているときは、内心「今このタイミングで始まるかあ、勘弁してよぉ!」と困惑するが、そういう傾向が把握できた相手に対しては、施術の順序を反対にすることでスムースな流れになる。
ボデイワークに感情解放(DMNゲーティング理論で言うところの、情動メタ認知のゲートが開く)を促す効果があるとするなら、そこにおける個体差を見極めることで診察時間の短縮や効率性UPに繋がることを、実際の症例を紹介しつつ解説する。
※当日プログラムは予告なく変更されることがあります。
会場 | 大宮ソニックシティ |
会場住所 | 埼玉県さいたま市大宮区桜木町1-7-5 |
開催日時 | 2023年2月23日(祝) 13:30~17:30 |
費用 | ◇一般【40,000】 ◇シルバー会員【30,000】 ◇ゴールド会員【5,000】 ・金額はすべて税込表示 ・当日会場にて現金決済(領収書をお渡しします) |
定員 | 15名 |
締切 | 前日20:00(定員に達し次第Facebookページにて告知) |
懇親会 | 未定 |
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