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CRPS(RSD)の基礎知識
CRPSは複合性局所疼痛症候群(Complex regional pain syndrome)の略称で、RSDは反射性交感神経性ジストロフィー(Reflex sympathetic dystrophy)の略称。本学会がCRPS(RSD)という表記を採用している理由は世界疼痛学会(IASP)がCRPSという診断名を確立する以前、臨床現場で長く使用されていた旧い病名「RSD」が現在も使用されることがあるから。歴史的には末梢神経損傷後に生じる灼熱痛をカウザルギーと呼んだのが始まりで、その後神経損傷がないにも拘らず同様の症状を呈するケースが発見され、この両者において交感神経の異常活動とこれに起因する組織の萎縮が見られたことから反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)と呼ばれるように。その後、交感神経の問題が必発でないことが分かり、同様の症状を呈する疾患群を総称して「CRPS」と呼ぶように。
10/21一般講演会「痛みとは何か?-その深淵なる世界-」の概要報告
外傷に引き続いてCRPS(RSD)が発症してしまうと、多くの医療者はハードペインという思い込みから逃れることができず、ソフトペインという視点を持つことができない。痛みは境界意識のゲートが開くことによって生じる言語化され得ない情動出力反応。
2018年8月26日BFI技術研修会プログラム「①骨折実験②胎内記憶セラピー③失感情症のCRPS(RSD)④総合臨床という概念⑤異臭症
骨折実験報告-骨折させる目的で、自らの足趾に重いガラス板を落下させ、その直後にセルフBFIを行い、痛みや腫脹がどのように変化したのかを詳細報告!今回の実験で分かったことはBFIは打撲や捻挫のみならず、骨折における二次痛(無髄C線維が秒速90㎝という低速で伝える第二波の痛み)までをも見事なまでに抑える効果があるということ。
さらに二次痛の発生を抑制する手段として、C触覚線維を賦活化させるべく撫でる刺激よりも、ひたすら患部を覆うように触り続ける(圧迫という趣意ではなくただ触れるだけ)というような“静止持続的な刺激”のほうが二次痛を防ぐ効果が高かったことが分かりました。この事実は外傷性の痛みはC触覚線維を経由して島皮質後部を活性化させるよりも、毛包受容器を介して中脳灰白質でのオキシトシン分泌とそれに続くセロトニン活性を促したほうが効果的であるということを示唆しています。
そして二次痛の抑制はその後の回復に想像を絶するほどの好影響を及ぼすことも…。これまで
2017年(H29年)12月3日研修会プログラム
高齢者の陳旧性アキレス腱断裂では、個々のADLや運動能力レベル、基礎疾患等を鑑みて、断裂部の癒合ありきという従来の治療方針に拘泥することなく「脳の認知機能を回復させることに重点を置く」ことで良好な予後に至る場合のあることが、今回の症例で確認されたことになります。