概要

 当会は脳弾塑性を促すテクニックとして、体性感覚刺激を重視していますが、なかでも“ゆらぎ“や“重力解放”そして“タッピング”といった技術を選択する場面が多く、そのいずれにおいても“リズム”という視点が欠かせません。

 生体への刺激介入においては、リズムは本当に重要な因子となります。その理由のひとつに引き込み(エントレインメント)が挙げられます(→こちらのページ)。

 当会はこれまで「タッピングの速さはどのくらいがいいのか?」すなわち、リズム刺激の速度をどのように設定すべきかについて様々な検証実験を行ってきました。

 胎内記憶の観点から妊婦の平均脈拍(70~90/分)を重視したり、患者の脈拍に同期したり、1/fゆらぎ成分を多く含む音楽のリズムに合わせたりと、数十年にわたって試行錯誤を続けておりますが、最終的な結論には達しておりません。

 今のところ、タッピングの速度に関わる約束事は設定せず、施術者個人の感覚を優先しています。

 つまり様々な理論的バックボーンを探ってはきたものの、結局は施術者自身の“個”を尊重しているわけでして、まさしくCIT(認知科学統合療法士)は“施術デザイナー”と言われる所以(→セラピューティック・デザイナーについてはこちらのページ(作成中)を参照)…。

 固有振動数をはじめ、心拍や呼吸、そして睡眠から腸の蠕動運動に至るまで、ヒトには固有のリズムがあります。当会はこれらをパーソナル・リズムと呼んでいます。何も考えないでタッピングを行った場合も同様で、人ぞれぞれ独自のリズム(タッピングの速さ)があります。
 
 しかし今回、その部分はいったん脇に置いていただき、或るリズムとタッピングの親和性について調べる実験を行いました。そのリズムとは心臓マッサージ(胸骨圧迫)のリズムです。

 一般に心臓マッサージのリズムは、1分間に100~120回という速さが最も蘇生率(心拍再開率)が高いとされており、特定の音楽に合わせて行うと、自然とその回数が再現されることが報告されています。海外で一番有名なのはビージーズの“Stayin alive”であり、この音楽に合わせて行うことが推奨されています。

 日本では“アンパンマンのマーチ”、“世界に一つだけの花”などが同様の効果があるとされており、今回はこの3曲を会場に流しながら、タッピングの技術(BReINのリングタップ)を行い、その際の術者と被験者の両方の立場から、自分にとっての“やりやすさ”、受けた時の“心地良さ”といった次元について比較実験を行いました。

 本動画はその解説シーンを収めたものです。実験の結果については動画の下に記述しましたので、会員皆様の参考になさってください。 

本編動画(10分)

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