概要

 認知科学と経済学を統合した「行動ファイナンス理論」や「プロスペクト理論」等で有名な心理学者ダニエル・カーネマン。彼は自著の中で、ヒューリスティックをファスト思考、アルゴリズムをスロー思考と呼ぶことで、経済界に認知科学の重要性を知らしめました。

 一般人にとって馴染みの薄い認知科学の概念(ヒューリスティックやアルゴリズム)を分かりやすい表現に変えたことで大ブレイクした好例だと言えます。

 他方、当会は“経済界”ではなく、“医学界”に認知科学の重要性を知らしめるべく活動を展開しておりますが、ダニエル・カーネマンのようなキャッチコピーのセンスがないせいか、世間への認知普及は道半ば…。

 ですが、近い将来『認知科学と医療を統合した「認知科学統合アプローチ(COSIA)」や「痛み記憶の再生理論」等で有名な〇×。〇×は構造的な痛みをハードペイン、脳システム由来の痛みをソフトペインと呼ぶことで、医学界に認知科学の重要性を知らしめた』という記述が成書に…。

 

 2022年、日本で放送されたバラエティ番組において、局所性ジストニアに対する新しい手術が紹介されましたが、第二のロボトミーを予感させるような内容でした(ロボトミーについてはこちらのページを参照)。

 画像ラベリングに象徴されるハード論のほとんどは、認知科学を一切考慮せず、さらにファスト思考によるロジックエラーを生み出します。このような医療ミスリードが繰り返される背景に、医療者自身のファスト思考ならびに認知科学で有名なダニング・クルーガー効果があります。後者に関してはこちらのページをご覧ください。

 本講義では医療者のファスト思考について解説しています。是非ご視聴下さい。

動画(全18分)

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