概要
中1男子の症例。主訴は頭痛、肩こり、立ちくらみ、いらいら感。
小学4年から登校と不登校を繰り返すようになり、 中学入学後は最初の2週間だけ通学し、再び不登校に…。1年前からネット系シューティングゲーム(FPS)に強くハマっており、親からの制限が加えられるたび体調不良が現われ、ときに暴れることも…。
こうした症例はコロナ禍において増加の一途を辿っています。
心療内科で 「抑うつ」と診断され、 別の小児科では「起立性調節障害」という診断。半年前に大学病院にて発達障害の検査を受けており、その結果は「境界例」。発達障害についてはこちらのページをご参照ください。発達障害が増えている理由について、筆者は
農薬大国、添加物大国と言われて久しい日本…、こうした化学物質の恐ろしさは最終的に動物の生殖系に深刻なダメージをもたらす点にある。ネオニコ系農薬の使用が認可された1993年を境にトンボ、ミツバチ、ワカサギ、うなぎ等々の激減が報告されるようになり…。日本人の少子化も歯止めがかからない状態。そして上図にあるとおり発達障害と農薬との関係をどのように捉えるべきか…。
このまま農薬や添加物を野放しにしていると、本当に日本は滅びかねません…。いったいどうしたらこの国は変われるのでしょうか?「発達障害の増加」について、筆者の眼にはもはや社会問題と化していると映ります。
さて、本症例の初診時、いざ問診を始めてみると、本人は終始うつむき加減で、当方と目を合わそうとせず、問いかけに対して黙り込む場面が多々あり、明らかに
同伴の母親が助け舟を出すことでかろうじて診察の体裁は保たれるものの、基本的に本人から情報を引き出すことは困難な状況でした。そこで、あの手この手を尽くして本人の心を柔らかくする方策を…。
「話したくないことは話さなくていいですからね。ただ最低限の状況は把握しておきたいので、もう少しだけ質問を続けてもいいですか?それともお話は一切無しにして施術のほうに移ったほうがいいですか?」と…。
その結果、大学病院の診断「境界例」に反し、当方の見解は「
当方が『境界例なんかではない、完全にストライク』と判断した理由を以下に列挙します。紙面の都合上その一部だけを紹介します。
・小学1年のころから
・幼少時より聴覚過敏があり、赤ちゃんの泣き声や商店街のざわざわ感、電車の音、駅ビルの
・小学2年時から、
・
初診時、40分程度の問診だけで上記のごとき情報が得られ(その過程は苦労しましたが)、かつ発達個性の兆候も複数認められました。
ちなみに大学病院でも当然ながら種々問診はあったそうです。しかし、本人いわく「質問の仕方や雰囲気がまるで違っていた」そうで、結果的に
こうした本人の弁はクリニカル・コミュニケーション(略してクリコミュ)における“
大学病院での診断はWAIS-III知能検査等の数値によるものですが、筆者は『それも大事だが、
本症例にあっては、その問診によって発達個性であると確信したわけですが、問題は伝えるべき症例か?伝えないほうがいい症例か?伝えるとしたら、どういうタイミングが正解か?
通常、初診時は可能な限り保留して、様子を見てから伝えるように心がけていますが、本症例の場合、一見さんの可能性を感じてしまい、果たして次があるかどうかという不安がありました。
もし次がないのであれば、チャンスは今日しかない…、であれば今伝えるべきではないか…。で、いざ母親に…。
「私個人の見解としては境界例ではなく、まさしくその範疇にあるのではと…、ASD系の発達個性という可能性を感じます…。さらに言えばHSCの傾向も…」と、
「そうなんですかぁ?でも大学病院の先生が(境界例だと)言っているんですよ!」と言下に否定され、怒り感情を露わに…。ただしHSCについては「感受性については私もいろいろ調べていて、HSPの傾向はあるのかなあとは思ってますけど…」と。
これこそが
母親は「HSCについては受容するけど、発達障害に関しては大学病院の言い分が正しいに決まっている」というスタンス。もちろん無意識の「障害ではなく、境界例であって欲しい」という思いがそうさせているのかもしれませんが…。
『
であれば「今後は(今後があるかどうか微妙だが)発達個性という用語は完全にNGワードだと肝に銘じるべき!」と覚知…。
と、ここまでが初診時のおおまかな流れです。で、おそらく2回目はないなという当方の予想に反して1週間後に再受診されました。
初診時の問診は母親同伴でしたが、本人の意思を確認すべく「前回はお母さんと一緒にお話を聴きましたが、今回も同じでいいですか?それともお母さんがいなくても大丈夫ですか?」と訊いたところ、「お母さんがいないほうがいい」という返答。
当方の思惑通りの展開となり安堵しました。今回は母親がいない状況で話を聴きたかったので…。
で、母親に待合室で待機していただいて、1対1の傾聴カウンセリングのスタート!本動画はその場面を収録したものです。
本症例が特別というわけではなく、ましてや発達個性だからというわけではなく、多くの子供たちが昭和時代とは異なる感受性を持っています。これは当方を受診された多くの教師たちも同意見でした。
もしあなたが今30歳以上なら、おそらく「自分の中学生時代とは全然違うな」と感じるのではないでしょうか。これは
本当に今という時代、
では、本編動画をご覧ください。流れ的に当会の情報を受け取る際の注意点(本来はウェルカム動画の中で語るべきこと)が字幕挿入されてます…。是非とも最初から最後までお目を通していただきますよう宜しくお願い申し上げます。
動画(全2編・ 計37分)
本講演を視聴するにはグランデ会員またはベンティ会員へのアップグレードが必要です(