外傷管理
旧フォーラム≪父が背部の激痛を訴え、脊椎圧迫骨折…≫
椎体の圧潰そのものがハードペインとして患者に苦痛をもたらすケースは意想外に…、実際は本当に僅少なんです。そもそもの話、長管骨と椎体では、単位面積あたりに占める皮質と海綿骨の比重が異なっており、皮質に侵入する血管や神経の構成も違います。
長管骨での皮質破綻つまり骨折と、椎体での皮質破綻とでは、ハードペイン醸成に関わるデバイス応答がそもそも同じではないんです。
動画ページ【定期セミナー講演】「巻き直し不要!着脱式テーピング軟性固定~足関節バージョン~」7分
外傷管理において痛みをはじめ二次フレアや腫脹レベル、回復プロセスの全てに明確な個人差がある。疼痛感受性が亢進しているCRPS(RSD)タイプとは対照的にレジリエンスの旺盛な個体では教科書に縛られない柔軟な介入のほうがスムースな回復に繋がる。外傷管理においても、回復プロセスは十人十色、患者によって全く違う。患者の体質を鑑みて臨機応変に介入する柔軟性を踏まえ足関節損傷の治療に対する新たな選択肢(テーピングの概念を覆すリスキリング)を紹介。
筆者が固定装具に機能性と美しさを求める理由
外傷に対する固定は、初期において“固定”であっても、回復に合わせて徐々に“機能装具”へと変身させていくプロセスが必要。プライトンシーネを使った『足関節トランスファンクション(機能遷移)固定』は非常に優れた固定法。受傷直後は非荷重を前提にしたU字固定を作成し、歩行状態の回復に合わせて不要部位をカットすることで形態を変えていくプライトン固定。
関節反射ショック理論〈本編②〉~微小関節反射ショックと遅発性ハードペイン~
関節反射ショックが脊柱に起こることは想定しにくいわけですが、ただし、外力の性質(強さ、方向、加速度等)や頻度によっては「微小関節反射ショック」が発生する恐れがあります。
微小関節反射ショックとは「関節トーヌスの瞬間消失に伴う関節包内での組織間衝突に伴う侵害受容器の反応レベルが低く抑えられた現象」を指します
動画ページ【定期セミナー講演】「なぜ“総合臨床”なのか?~柔整アイデンティーと当会の裏テーマ&肩鎖関節損傷に対するBReIN」①~③ 全57 分
当会の会員が上腕骨顆上骨折Ⅳ型(末梢が後方に飛んでいるタイプ)を無血整復させたのを受け、外傷管理の在るべき姿と柔整アイデンティティについて講師の私見を披歴。さらに柔整と整形の複雑な関係性、先進諸国の中で日本の整形だけがハード論偏向の画像診断を続けている理由などを考察。
関節反射ショック理論〈本編①〉~肘内障の実態に迫る~
外力の強さや関節肢位等の条件が重なると、関節トーヌスの瞬間消失に伴って関節包内での組織間衝突(例えば骨頭と靭帯の衝突)が発生すると同時に、その衝撃を感知した侵害受容器によるハードペインが生まれる。この現象を「関節反射ショック」と呼ぶ
関節反射ショック理論〈序章〉~関節機能障害と痛み~
基本的に関節反射ショックは数秒あるいは数十秒以内に回復する。これが小児の腕橈Jに発生したとき、その際の運動回路のプログラムエラーが小脳や前庭核に保存されてしまうと反復性の肘内障(いわゆるクセになるタイプ)になる。同様のメカニズムが膝ロッキングでも包含されている
動画ページ【定期セミナー講演】急性外傷に対するBReINの実際①~② 全19分
中学生の足関節捻挫(典型的な前距腓靭帯損傷)に対するリスクマネジメントについて解説。通院中にしびれを訴え始めた患者が不安になって整形に行ってしまった場合、脳の情報処理エラーという概念を持たない医師によって絞扼性神経障害と説明されてしまう(白衣ラベリング)可能性があるため、そうなる前に手を打つ必要が…。CRPS(RSD)予防の観点からも患者を不安にさせないことが極めて重要であり、同時に小中高生の場合は親に対する十分な説明も必須。
2018年8月26日BFI技術研修会プログラム「①骨折実験②胎内記憶セラピー③失感情症のCRPS(RSD)④総合臨床という概念⑤異臭症
骨折実験報告-骨折させる目的で、自らの足趾に重いガラス板を落下させ、その直後にセルフBFIを行い、痛みや腫脹がどのように変化したのかを詳細報告!今回の実験で分かったことはBFIは打撲や捻挫のみならず、骨折における二次痛(無髄C線維が秒速90㎝という低速で伝える第二波の痛み)までをも見事なまでに抑える効果があるということ。
さらに二次痛の発生を抑制する手段として、C触覚線維を賦活化させるべく撫でる刺激よりも、ひたすら患部を覆うように触り続ける(圧迫という趣意ではなくただ触れるだけ)というような“静止持続的な刺激”のほうが二次痛を防ぐ効果が高かったことが分かりました。この事実は外傷性の痛みはC触覚線維を経由して島皮質後部を活性化させるよりも、毛包受容器を介して中脳灰白質でのオキシトシン分泌とそれに続くセロトニン活性を促したほうが効果的であるということを示唆しています。
そして二次痛の抑制はその後の回復に想像を絶するほどの好影響を及ぼすことも…。これまで