概要
日本語としてのエントレインメントは様々な分野で使われています。例えば不整脈に対するペーシングによって発現する現象、発達心理学における母子相互の同調現象などが知られていますが、脳科学におけるエントレインメントは、生体に加えられたリズム刺激に特定の神経回路がシンクロする現象、すなわちリズミカルな信号を受信した脳が、これに反応する形で神経回路を改変させる現象です。
一言で言うなら、「リズム刺激による神経可塑性の発現」です。
BReINにおけるリングタップをはじめ、様々なタッピング系技術がなぜ脳弾塑性を誘導するのか?これを説明するために欠かせない因子が、まさしく“引き込み”です。本講演はこれを理解する上で極めて重要な知見です。
以前のセミナーで、ポンポンポンポンという機械音が響き渡る金属加工の工場を経営していたパーキンソン病患者の進行が遅い理由について解説したことがありますが(→「パーキンソン症例における驚愕の現象」)、この私見を裏づける内容を先日NHKが放送しました。
この映像を観ていただければ、引き込みの驚異的な効果を実感していただけることでしょう。